結論を言えば、マンガ絵の描き方には決まりはありません。だから何を使って何に描こうと、それはそれぞれに好き勝手でよいのです。プロの作家は、作品を印刷に回す都合上、ある程度使える材料が決まっているというだけのことです。ですから、もちろん最初からタブレットでPCに描くというのもありです。でもPCは描きたいときに、いつでもどこでも描ける道具ではないです。そんなわけで、まずは紙の上で修業です。過去の例からいって、デジ絵が上手い人はそもそも紙のイラストも上手いです。
下書きは通常、鉛筆、シャープペンシルを使います。どのメーカーがいいか、それはいろいろ買ってみないとわかりません。値段のちょっと高いもののほうが紙が汚れにくいようです。シャーペンは消しゴムで消しやすいことが大事。色鉛筆は、頻繁には使わないかと思いますが、手軽で便利です。漫画絵でよく使われるのはGペン、丸ペン、ペン軸、墨汁&インク、筆ペンです。今はコミック用品を専門に扱っているお店や業者があるので、そこでそろえるとよいと思います。ペンで描く人が多いのは、これが一番描きやすく、きれいな線が描けるから。もちろん、きれいな線が描けるならどんな道具でもいいですが、Gペンは太い細いをコントロールしやすいのでおすすめ。丸ペンは、Gペンのさらに細いもので、太い線と細い線を描きわけるのに、この二つをセットを使う人が多いです。
紙については、印刷用でない場合はなんでもいいでしょう。雑誌の投稿用はサイズが決まっています。今はあらかじめ印刷用のフォーマットつきのマンガ原稿用紙が売ってます。スクリーントーンも、コミック用品を売っている場所にいっしょに売ってます。でも印刷しないなら、これは必要ありません。一枚イラストだけなら、スケッチブックのようなものでいいと思います。萌え絵というのは必ずしもうまい絵ではありません。「イイと感じる」にはまず「心にひっかかる」ことが必要でして、本当に神業的にうまいならそれが心に残るからいいのですが、普通にそつなくうまいだけでは印象に残りません。だったらクセとかアクとかがあったほうがいい。それを個性とか呼ぶわけです。
ただ、描いた絵が萌える絵かどうかという以前に、やはり図画として最低限稚拙に見えないかどうかというハードルがあります。これはマンガ入門書などでよく「とにかく何度でも描いてみましょう」と説明されている部分ですが、「とにかく何度でも」で何を修得すればいいのでしょう。「上手く描けなさそう」と思いながら線を引くと、ペンを持つ手も安定しなくなり、ブレが視覚認識出来るレベルで表れます。受け手がそれを見ると、そのブレから「上手くない線だな」と感じます。「キッチリと円を描いてみよう」と描いた円と、「えーい、とりあえず円だ」と描いた円を見比べると、実際のところは前者が半径距離などからすると円に近いけれど、線がきれいで円らしさが出ているのは後者の方でしょう。つまり、悩まずに描いた線はきれいに見えるということです。歪みをなくす事よりも線を安定させる事を優先した方が上手に見えます。「ヘタな絵になるかも」と思いつつ描くと線に出ます。自信でも過信でも開き直りでも、何でも良いです、とにかく堂々と描きましょう。
形をちゃんと描くためには、いわゆるお絵描き講座では「デッサンを取りましょう」といいますが、人物画でそれは厳密に要求されるものではありません。かといって、「デッサンなんて全く不要」というわけでもありません。どうやって形をちゃんと描くのかについて「大体の感覚で」「それらしく見えればいい」等の曖昧な感覚に頼っていると、萌え絵は上達しません。似顔絵を描くには、まず下書きの書き方から教えましょう。まず写真を横に置いて、紙と鉛筆を用意しましょう。ラフに描く時に使う鉛筆は、HBが良いでしょう。そして、濃い部分を書く時は、Bか2Bがいいでしょう。
まずはじめはHBの鉛筆を使ってください。まずは上の方に半円を描いて下さい。 これが頭の部分になります。十字の線を入れます。これが顔の中心となるのです。これを入れる事によって顔のパーツが描き易くなります。角度を決める時にも大変役に立ちます。顔を描く時は必ずこの線を入れるといいでしょう。それから輪郭、耳を描いていきましょう。顎は線を参考に角度をつけましょう。これでバランスのいい輪郭が描けます。次に写真を見ながらパーツを描いていく。丁寧に描かなくていいので、耳、眉、目、鼻、口を描いて行きましょう。
ここからが本番です。目が離れすぎていないか、鼻は下すぎないか、色んなことに気をつけながら描いていきましょう。納得が行くまで描けたら、鉛筆をB~に持ち替えましょう。影は真っ黒に塗りつぶし、立体的な部分にはキチンと影を入れましょう。唇は上唇を濃く塗って、下唇は薄く塗りましょう。目も口と似たようなもので、目の上の部分はアイライナーを引くように濃く、下のラインは薄く引く程度でいいです。
納得のいくまで描けたら下書きの完成。あとはそのまま水彩で塗るか、色鉛筆で塗るか、パソコンに取り込むかはあなたの自由です。思いっきり楽しんで描いて下さい。絵コンテを描くにあたって、まず顔は○と+で表現すると頭に叩き込んで下さい。○は顔の位置と大きさを表現します。+は、顔の向きを表現します。+の交差する点が鼻を指しています。簡単な絵ですが、人間の位置関係、方向などが完璧に伝わればよいということです。尚、表情に関しては描かなくてもいいでしょう。人物を描き分けたい時は、髪型や眼鏡などを利用してみてください。
体の描き方は、頭の位置が決まれば、体の位置なんて考えるまでもないので、それほど注意することはありません。衣装は、それが映画の主題に大きく関係してこない場合は、それほど意識しなくてもいいでしょう。詳しく描かなくてもいい場合が多いです。体に関しては、ポーズ、アクション、といった描き方が問題になってきます。人がたくさん出てくるドラマの場合、人を「描き分ける」必要があります。そんな時は実際の衣装を考えてみましょう。映画の中でも、役を見分け易くするために何かしら違いを出しているはずです。ロケハンなどに同行できれば、その時にデジカメで写真を大量に撮っておきましょう。それをもとに描けばいいでしょう。 空、建物などの背景を、詳しく描く必要もありません。「その場所がどんなところか」を描ければ十分です。また、建物に関してですが、これもまた「人間の位置関係」を伝えることが目的になります。つまり、立体的な絵を目指すのではなく、「図示」で十分、ということです。これも立派な絵コンテになります。
